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ダウト ~あるカトリック学校で~ [タイトル:タ行]

Doubt (2008年)
監督:ジョン・パトリック・シャンリー
出演:メリル・ストリープ、フィリップ・シーモア・ホフマン、エイミー・アダムス
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60年代ニューヨークのカトリックスクールを舞台に、ある疑惑をめぐる尼僧と神父の確執を描く。
トニー賞&ピュリッツァー賞のJ・P・シャンリー作の舞台劇を作者自らがメガホンを取り映画化。
単に、尼僧が神父の小児性愛の嫌疑を証明する話かと思っていたら、とても曖昧、且つややこしいことになっていて、タイトル通り“疑惑”そのものがテーマとなっている。
映画の冒頭で、革新的な神父は疑惑を抱くことも人の絆を高めると言い、ラストで、保守的な尼僧は疑惑を抱いたこと自体に苦悩する。
つまり、疑惑を抱くことの是非を問うているのだと思われる。
日本もアメリカも司法の世界では、「疑わしきは罰せず」が原則であるが、9.11後の社会では、この方針にズレが生じている。
例えば、アラブ人=テロリストのようなイメージが植え付けられ、アメリカやイギリスでは無実の人が逮捕され、尋問と称した拷問を受けたと聞く。
また、イラクに大量破壊兵器があるという誤情報に疑惑を抱かなかった大統領は、戦争を始めた。
カトリックスクールが舞台ということに意味があると思われ、キリスト教徒が大多数を占めるアメリカ社会の隠喩なのだろう。そして、尼僧がブッシュで、神父がフセインといったところだろうか。
「火のないところに煙は立たず」とも云うように、疑惑の裏にはそれなりの理由があるのも確かで、本作の神父も過去に過ちを犯しており、そのことが尼僧に確信を与えることとなった。
人は誰でも過ちを犯すのだから、疑惑は抱くのは当然のことである。ただ、疑惑を抱いた際は徹底的に話し合うことが必要だと、訴えかけているのだろう。
それとも、深読みに過ぎず、単に聖職者のモラルを問うているだけなのかもしれないが、とりあえず、オスカーにノミネートされた4人の演技合戦を見るだけでも鑑賞する価値はある作品である。
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コメント 12

てくてく

色んな含みを持った作品のようですね。
見方によって色々考えられるみたい・・・。

とにかく演技合戦がみたいですね。
映画館で観賞できるかな?^^;

by てくてく (2009-03-25 08:47) 

duke

勝手に想像をふくらまして、興味しんしんになってました爆。
疑い、って難しいテーマですね。問題意識はあった方がいいけど。
よく、人を疑って悪口を言う人って、逆に自分の事を言ってることありません?自分がいじわるだから人がいじわるに見えるとか。そういうの好きじゃないです。あ、また脱線^^;
by duke (2009-03-25 12:56) 

コッスン

みんなが思わせぶりな作品でしたね。
アフリカ系アメリカンの少年も、思わせぶりだったし
そのお母さんも。
神父も怪しいし
でもはっきりとはしないんですよね。
あー煮え切らない。
でも、演技者の演技には拍手でした。
by コッスン (2009-03-25 17:40) 

ヂュヌヴィエーヴ・F・ビヂョンド

こんばんは。
>尼僧がブッシュ
そう考えると、疑惑を持った後にちゃんと苦悩した尼僧を見習い給え。
みたいな批判が込められているような気がしてきました。
by ヂュヌヴィエーヴ・F・ビヂョンド (2009-03-25 21:11) 

hash

てくてくさん、こんばんは。
nice!&コメントありがとうございます。
曖昧なところからも、額面通りの話ではないのかなと思います。
DVDでもM・ストリープの迫力は充分に伝わってくると思いますので、ぜひご覧下さい。^^
by hash (2009-03-26 00:59) 

hash

dukeさん、こんばんは。
nice!&コメントありがとうございます。
そうですね。
全く疑いを持たないのも、それはそれで困ったことになりかねないですからね。
「人のふり観て我がふり直せ」と言ったところでしょうか。
by hash (2009-03-26 01:07) 

hash

コッスンさん、こんばんは。
nice!&コメントありがとうございます。
曖昧にしておくことで、観た人に考えさせているのでしょうね。
難しいことは置いといて、演技合戦を堪能するのも良しかと思います。
by hash (2009-03-26 01:09) 

hash

ヂュヌヴィエーヴ・F・ビヂョンドさん、こんばんは。
nice!&コメントありがとうございます。
一例に過ぎないのかもしれませんが、そう取れますね。
そう言えば、オリバー・ストーン監督のブッシュ映画「W」の日本公開が決まったようですね
by hash (2009-03-26 01:18) 

クリス

こんばんは。
9.11後に作られた戯曲だって聞いています。
だから、hashさんの仰られていることは、あたっている気がしてなりません。
歪んだ世の中になってきたのかも。だからこそフリン神父の疑惑から生まれる絆って、たいせつな気がします。
by クリス (2009-04-18 22:35) 

hash

クリスさん、こんばんは。
nice!&コメントありがとうございます。
善悪の区別が曖昧な時代ならではの作品でした。
互いに納得がいくまで話し合うことが大事ですね。
by hash (2009-04-19 17:14) 

てくてく

こんばんは^^
“疑い”にとらわれ突き進むメリルが怖かった。
対するホフマンも流石の演技でした。
評判通り、見ごたえのある作品!
引き込まれました。
by てくてく (2009-05-17 01:55) 

hash

てくてくさん、こんばんは。
観ている側もそれぞれに、疑惑の眼差しを送ってしまいます。
言論で対決する作品は面白いですね。
by hash (2009-05-18 00:43) 

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