So-net無料ブログ作成

ブラインドネス [タイトル:ハ行]

Blindness (2008年)
監督:フェルナンド・メイレレス
出演:ジュリアン・ムーア、マーク・ラファロ、アリス・ブラガ、ガエル・ガルシア・ベルナル
blindness_2.jpgblindness.jpg
突然、目が見えなくなる病気に感染し、施設に隔離された者たちの醜態を描いたドラマ
ノーベル文学賞獲得経験のあるポルトガル人作家ジョゼ・サラマーゴの著作「白の闇」をカナダ人ドン・マッケラーが脚色し、ブラジル人F・メイレレスが監督したブラジル、カナダ、日本の合作映画で、英語作品ながらキャストはアメリカ、ブラジル、メキシコ、日本などから集められ国際色豊かである。
ハプニング」+「ミスト」のような設定で、「アイ・アム・レジェンド」の前日談のような雰囲気もある内容だが、その描き方は大きく異なっており、本作には人々が危機に立ち向かおうとする場面は少なく、ひたすら流動的に描かれていく。主要な登場人物は皆、とても従順で、隔離され放置されても素直に従い、施設の中で食料を独占する者が現われれば、その要求通り、金品や身体を差し出す。
その描写から、人間とはこんなに従順なものかという疑問が生まれるのは当然で、劇中の場所や人物の名前を特定していない点からも、これは何かの比喩であると推測できる。
そこで、鍵となるのが、伊勢谷友介と木村佳乃が演じる2人の日本人であると思う。彼らの出番は特に多いわけではないが、他にも非英語圏の俳優が出演しているにも関わらず、劇中で英語以外の言語を使うのは彼らだけなので、とてもよく目立つ存在となっており、彼らの存在が何らかの象徴なのではないかと考えられる。
思うに、アメリカの政策(とりわけイラク戦争)を盲目的に支持した日本及び、西欧諸国に対する批判が本作のテーマではないだろうか。そして、病気の原因が特定されることなく、時とともに自然に治癒するというラストも、「見て見ぬふりをしていただけ」という意味合いの比喩で、イラク戦争が泥沼化してから批判を始めた社会に対する皮肉のように思える。

ただ、映画はエンターテイメントで、その中にテーマやメッセージを込めるべきだという考え方なので、娯楽性に欠ける本作を評価する気にはなれない。


nice!(6)  コメント(9)  トラックバック(16) 
共通テーマ:映画

nice! 6

コメント 9

クリス

確かに。hash さんとは別の発想ですが、なにかを揶揄している感はずっとありました。観客の倫理感かなと直球的に思ったんですが。
監督の前作等に比べると、何故こんなの撮ったのかなー?って気もしますよね。訴えたかったものの訴え方を、ちょっと間違ってしまったような・・・。
by クリス (2008-12-20 23:16) 

ヂュヌヴィエーヴ・F・ビヂョンド

こんばんわ。ご訪問ありがとうございました。
人類失明の危機に際してのシュミレーションドラマとして、その可能性の一例としての説得力は有ったかなぁと思いました。
by ヂュヌヴィエーヴ・F・ビヂョンド (2008-12-21 01:28) 

hash

クリスさん、こんばんは。
nice!&コメントありがとうございました。
観た人に解釈を委ねているタイプの映画ですね。
作っている側(スタッフ、キャスト)も、それぞれ独自の解釈があるのではないかと思います。
by hash (2008-12-22 00:50) 

hash

ヂュヌヴィエーヴ・F・ビヂョンドさん、こんばんは。
nice!&コメントありがとうございました。
>シュミレーション
原作者の意図はこの辺にあるのかなと思いました。
文明が進化しても、それを使う術を失えば、他の動物と変わらないということでしょうか。
by hash (2008-12-22 00:54) 

hash

xml_xslさん、こんばんは。
nice! ありがとうございました。

たねさん、こんばんは。
nice! ありがとうございました。
by hash (2008-12-22 00:54) 

元気

hashさん、こんばんは。

>「ハプニング」+「ミスト」のような設定で、「アイ・アム・レジェンド」の前日談のような雰囲気

うん、うん。(笑)
でもって、『バベル』 と、『ドッグウイル』 のリアルな焦燥感。
なんだか、世界が迷子になって出口を探しているような感じです。

そして、『世界が静止する日』
なんだかなぁ…



by 元気 (2008-12-23 00:27) 

hash

元気さん、こんばんは。
nice!&コメントありがとうございました。
温暖化による災害の増加、経済不況という現実社会に倣って、映画界も終末思想が蔓延している感じですね。
by hash (2008-12-24 00:08) 

Yakoha

こんにちは。
今年はこの種の終末系作品が多かった年のように思います。煮え切らない思いはありますが、アプローチは面白いものがありましたね。木村佳乃は・・・脱ぎませんでしたね。(どっちでもいいんですけど。笑;)
by Yakoha (2008-12-27 00:29) 

hash

Yakohaさん、こんばんは。
nice!&コメントありがとうございます。
確かに多かったですね。
それぞれ作り手の色が出ていて、興味深かったです。
木村佳乃の足は細くてきれいでした。(笑)
by hash (2008-12-27 22:24) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 16